はじめに (対象読者・この記事でわかること)

この記事は、Swift を使用した iOS アプリケーション開発者や Swift に興味がある方を対象にしています。この記事を読むことで、Swift 5.1 で「Module compiled with Swift 5.1 cannot be imported by the Swift 5.1.2」というエラーが起こる理由と、その解決策がわかるようになります。Swift 5.1 では ABI Stability が実現されましたが、その ABI Stability の意味と、モジュールのコンパイルに関する問題について深掘りします。

前提知識

この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。 - Swift の基本的な知識 - ABI Stability の基本的な理解 - Swift Package Manager (SPM) の基本的な操作

Swift 5.1 と ABI Stability の概要

Swift 5.1 では、ABI (Application Binary Interface) Stability が実現されました。ABI Stability とは、Swift のバージョンが上がったときに、コンパイルされたバイナリが互換性を保つことを意味します。この機能の実現により、開発者は Swift の最新バージョンにアップデートしても、以前のバージョンでコンパイルされたモジュールを利用できるようになりました。しかし、実際には「Module compiled with Swift 5.1 cannot be imported by the Swift 5.1.2」というエラーが起こることがあります。

Module compiled with Swift 5.1 cannot be imported by the Swift 5.1.2 というエラーの原因と解決策

Module と ABI Stability

Swift では、モジュールはコンパイルされたバイナリと、その依存関係やインターフェースを定義した情報で構成されます。ABI Stability が実現されていても、モジュールがコンパイルされた Swift バージョンと、プロジェクトで使用している Swift バージョンが異なる場合にエラーが起こります。

エラーの原因

このエラーの主な原因は、モジュールが Swift 5.1 でコンパイルされたが、プロジェクトでは Swift 5.1.2 を使用しているため、モジュールのバージョンとプロジェクトのバージョンが一致していないことです。Swift 5.1 では ABI Stability が実現されていますが、モジュールのコンパイルには依然としてバージョンによって差異が生じる可能性があります。

解決策

このエラーを解決するには、以下の手順が考えられます。 1. モジュールを最新の Swift バージョンで再コンパイルする: これは最も直接的な解決策です。Swift Package Manager (SPM) を使用している場合は、プロジェクトの Package.swift ファイルでモジュールのバージョンを更新し、プロジェクトを再コンパイルします。 2. プロジェクトの Swift バージョンを下げる: もしモジュールを更新できない場合は、プロジェクトの Swift バージョンをモジュールと同じバージョン (この場合は Swift 5.1) に下げることができます。しかし、この方法はプロジェクトの進捗やセキュリティの観点から見るとあまり推奨されません。 3. モジュールをソースコードからコンパイルする: あるいは、モジュールのソースコードをプロジェクトに直接追加し、プロジェクトと同じ Swift バージョンでコンパイルする方法もあります。

ハマった点やエラー解決

上記の解決策を試みた際に、別のエラーに遭遇することがあります。たとえば、モジュールの依存関係が解決されない、またはモジュール内で使用されている API が古いバージョンと互換性がないなどの問題が生じる可能性があります。こうした場合には、モジュールの作者に連絡してアップデートを依頼したり、プロジェクトの設計を見直す必要があるかもしれません。

まとめ

本記事では、Swift 5.1 で「Module compiled with Swift 5.1 cannot be imported by the Swift 5.1.2」というエラーが起こる理由と、それを解決するための手順について説明しました。 - ABI Stability の基本的な理解: Swift 5.1 での ABI Stability の意味と、それがモジュールのコンパイルに与える影響について。 - エラーの原因と解決策: モジュールのバージョンとプロジェクトのバージョンの不一致が原因であり、モジュールの再コンパイル、プロジェクトのバージョン下げ、モジュールのソースコードからのコンパイルが解決策となることを説明しました。 - ハマった点やエラー解決: モジュールの依存関係や API 互換性に関する問題と、それに対する対処法について触れました。

この記事を通して、Swift を使用した開発で遭遇する可能性のある問題とその解決方法について理解を深めることができたでしょう。将来的には、Swift の新しい機能や開発環境の最適化についても記事にしたいと思います。

参考資料