はじめに (対象読者・この記事でわかること)

この記事は、Flutter開発を始めようとして、Android StudioにFlutterプラグインをインストールしたにも関わらず、「Start a new Flutter project」というメニューが表示されず、困っている方を対象としています。

この記事を読むことで、Flutterプラグインを正しく認識させるための具体的な手順を理解し、Android StudioでFlutterプロジェクトを新規作成できるようになります。開発環境のセットアップでつまずいてしまうと、学習のモチベーションが低下してしまうこともあります。この記事でその原因と解決策を明確にし、スムーズなFlutter開発のスタートを支援します。

前提知識

この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。

  • Android Studioの基本的な操作(インストール、設定画面の操作など)
  • Flutter SDKの概要(インストール済みであること)

Android StudioでFlutterプロジェクト作成メニューが表示されない問題の概要

Flutter開発を始めるにあたり、多くの開発者はAndroid StudioなどのIDE(統合開発環境)を利用します。Android StudioでFlutter開発を行うためには、まずFlutter SDKをインストールし、その後Android StudioにFlutterプラグインをインストールする必要があります。

しかし、最新バージョンのAndroid StudioやFlutter SDK、あるいは特定の環境下では、プラグインをインストールしたにも関わらず、「File」メニューから「New」を選択しても、「Start a new Flutter project」という項目が表示されないという現象が発生することがあります。このメニューが表示されないと、新しいFlutterプロジェクトを作成することができず、開発に着手できません。

この現象は、主に以下のいずれか、または複数の要因が複合的に影響している可能性が考えられます。

  • Flutter SDKのパス設定が正しく行われていない、またはAndroid Studioに認識されていない: Flutterプラグインは、インストールされているFlutter SDKの場所を認識して初めて、プロジェクト作成機能を提供します。
  • Android Studioのキャッシュや設定ファイルに問題がある: IDEの内部的な状態が不安定になっている場合、プラグインの機能が正しくロードされないことがあります。
  • Flutterプラグイン自体のインストールが不完全、または破損している: ダウンロードやインストールプロセスに問題があった場合、プラグインが正常に動作しないことがあります。
  • Android StudioのバージョンとFlutterプラグインの互換性: ごく稀に、特定のバージョン間の互換性の問題が影響している可能性も否定できません。

このセクションでは、これらの原因を踏まえ、次のセクションで具体的な解決策をステップバイステップで解説していきます。

Flutterプロジェクト作成メニューが表示されない問題の解決策

ここでは、Android Studioで「Start a new Flutter project」メニューが表示されない問題に対する具体的な解決策を、順を追って解説します。多くの場合、以下の手順のいずれかで解決します。

解決策1:Flutter SDKのパスを正しく設定し、Android Studioに認識させる

これが最も一般的で、かつ重要な解決策です。Flutterプラグインは、Flutter SDKがどこにインストールされているかを正確に知っている必要があります。

  1. Flutter SDKのインストールパスを確認する: まだFlutter SDKをインストールしていない場合は、公式ドキュメントに従ってインストールしてください。インストール済みであれば、そのパスを正確に把握します。例えば、macOSやLinuxでは ~/development/flutter、Windowsでは C:\src\flutter のようなパスになります。

  2. Android Studioの設定画面を開く: Android Studioを起動し、「File」メニューから「Settings...」(Windows/Linux)または「Android Studio」メニューから「Preferences...」(macOS)を選択します。

  3. 「Languages & Frameworks」>「Flutter」を開く: 設定画面の左側ペインで、「Languages & Frameworks」を展開し、「Flutter」を選択します。

  4. Flutter SDKパスを指定する: 「Flutter SDK path」という項目があります。ここに、手順1で確認したFlutter SDKのインストールパスを正確に入力するか、「...」ボタンをクリックして、エクスプローラー(またはFinder)から該当するディレクトリを選択してください。

  5. 「Apply」または「OK」をクリックして設定を保存する: パスを設定したら、画面下部の「Apply」ボタンをクリックし、その後「OK」ボタンをクリックして設定画面を閉じます。

  6. Android Studioを再起動する: 設定を反映させるために、Android Studioを一度完全に終了し、再度起動してください。

  7. 「Start a new Flutter project」メニューを確認する: Android Studioの起動後、「File」メニュー > 「New」 > 「Project...」を選択し、プロジェクト作成画面に「Flutter」の項目があり、「Start a new Flutter project」というオプションが表示されているか確認してください。

解決策2:Flutterプラグインを一度アンインストールしてから再インストールする

プラグインのインストールが不完全であったり、何らかの理由で破損している場合に有効な手段です。

  1. Android Studioの設定画面を開く: 「File」メニューから「Settings...」(Windows/Linux)または「Android Studio」メニューから「Preferences...」(macOS)を選択します。

  2. 「Plugins」を選択する: 設定画面の左側ペインで、「Plugins」を選択します。

  3. Flutterプラグインを検索してアンインストールする: 「Installed」タブを開き、「Flutter」と検索します。見つかったFlutterプラグインの横にある「Uninstall」ボタンをクリックし、アンインストールを実行します。アンインストール後、Android Studioの再起動を求められる場合がありますので、指示に従ってください。

  4. Android Studioを再起動する: アンインストールが完了したら、Android Studioを一度完全に終了し、再度起動してください。

  5. Flutterプラグインを再インストールする: Android Studioを再起動したら、「Welcome to Android Studio」画面、または「File」メニュー > 「Settings...」/「Preferences...」 > 「Plugins」から、再度「Marketplace」タブで「Flutter」を検索し、インストールします。Dartプラグインも一緒にインストールを推奨される場合は、そちらもインストールしてください。

  6. Android Studioを再度再起動する: プラグインのインストールが完了したら、再度Android Studioを完全に終了し、起動してください。

  7. 「Start a new Flutter project」メニューを確認する: 「File」メニュー > 「New」 > 「Project...」を選択し、プロジェクト作成画面で「Flutter」の項目と「Start a new Flutter project」オプションが表示されているか確認してください。

解決策3:Android Studioのキャッシュをクリアし、IDEを再構築する

IDEの内部的なキャッシュや設定ファイルに問題がある場合、これらをクリアすることで解決することがあります。

  1. 「File」メニューから「Invalidate Caches / Restart...」を選択する: Android Studioのメニューバーから「File」を選択し、「Invalidate Caches / Restart...」をクリックします。

  2. 「Invalidate and Restart」を選択する: 確認ダイアログが表示されるので、「Invalidate and Restart」ボタンをクリックします。これにより、Android Studioのキャッシュがクリアされ、IDEが再起動します。

  3. 「Start a new Flutter project」メニューを確認する: 再起動後、「File」メニュー > 「New」 > 「Project...」を選択し、プロジェクト作成画面で「Flutter」の項目と「Start a new Flutter project」オプションが表示されているか確認してください。

解決策4:Android Studioを最新バージョンにアップデートする

お使いのAndroid Studioのバージョンが古い場合、最新のFlutterプラグインやSDKとの互換性に問題が生じている可能性があります。

  1. Android Studioのアップデートを確認する: 「Help」メニューから「Check for Updates...」(Windows/Linux)または「Android Studio」メニューから「Check for Updates...」(macOS)を選択します。

  2. 利用可能なアップデートがあればインストールする: 最新バージョンが利用可能な場合は、指示に従ってアップデートをインストールしてください。アップデート後、Android Studioの再起動が求められます。

  3. 「Start a new Flutter project」メニューを確認する: アップデート完了後、再度「File」メニュー > 「New」 > 「Project...」から、プロジェクト作成画面で「Flutter」の項目と「Start a new Flutter project」オプションが表示されているか確認してください。

解決策5:Dartプラグインも確認・再インストールする

FlutterはDart言語で記述されるため、DartプラグインもFlutter開発には不可欠です。FlutterプラグインとDartプラグインの連携に問題がある可能性も考えられます。

  1. 「Plugins」設定画面を開く: 「File」メニューから「Settings...」(Windows/Linux)または「Android Studio」メニューから「Preferences...」(macOS)を選択し、「Plugins」を開きます。

  2. Dartプラグインの状態を確認し、必要であれば再インストールする: 「Installed」タブで「Dart」プラグインを検索します。もしインストールされていなければインストールし、インストール済みであれば、一度アンインストールしてから再インストールしてみてください。(Flutterプラグインの再インストールと同様の手順で行います。)

  3. Android Studioを再起動し、メニューを確認する: Dartプラグインの操作後、Android Studioを再起動し、プロジェクト作成メニューが表示されるか確認します。

まとめ

本記事では、Android StudioでFlutterプラグインをインストールしても「Start a new Flutter project」メニューが表示されないという、Flutter開発の初歩でつまずきやすい問題について、その原因と具体的な解決策を解説しました。

  • Flutter SDKのパス設定の確認と再指定
  • Flutterプラグインの再インストール
  • Android StudioのキャッシュクリアとIDEの再起動
  • Android Studio自体のアップデート
  • Dartプラグインの確認と再インストール

これらの手順のいずれかで、多くのケースで問題が解決し、新しいFlutterプロジェクトを作成できるようになります。開発環境のセットアップは、スムーズな開発の第一歩です。この記事が、皆さんのFlutter開発のスタートに役立てば幸いです。

今後は、Flutterの基本的なウィジェットの使い方や、状態管理の方法など、より実践的な内容についても記事にする予定です。

参考資料