はじめに (対象読者・この記事でわかること)

この記事は、Laravelを使用したWebアプリケーション開発経験がある方、特にサーバー設定に興味がある方を対象としています。また、複数のLaravelアプリケーションを同一ドメインで運用したい場合や、特定のパスにアプリケーションを配置したい場合の設定方法について知りたい方にも適しています。

この記事を読むことで、Laravelアプリケーションをサブディレクトリに配置し、尻スラッシュなしのURLでアクセスするための具体的な設定方法を理解できます。.htaccessファイルの設定、Apacheの設定変更、ルート設定の修正といった実践的な手順を学ぶことができます。この知識は、本番環境でのLaravelアプリケーション運用時に非常に役立ちます。

前提知識

この記事を読み進める上で、以下の知識があるとスムーズです。

  • Laravelの基本的な知識
  • Apacheサーバーの基本的な設定知識
  • PHPの基本的な知識
  • コマンドライン操作の基本的な知識

Laravelアプリケーションをサブディレクトリに配置する必要性

Webアプリケーション開発において、複数のLaravelアプリケーションを同一ドメインで運用したいケースはよくあります。例えば、メインサイトとしてWordPressを運用しつつ、管理パネルとしてLaravelアプリケーションを設置する場合や、複数のサービスを一つのドメインの異なるパスで提供する場合などが挙げられます。

特に、尻スラッシュなしのURL(例: https://example.com/laravel)でアクセスできるように設定することは、UX(ユーザーエクスペリエンス)の観点から重要です。尻スラッシュがつくURL(例: https://example.com/laravel/)とつかないURLは、ユーザーにとって混乱を招く可能性があるためです。

また、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも、一貫したURL形式を維持することは重要です。Googleなどの検索エンジンは、URLの形式を統一することでコンテンツの重複を防ぎ、インデックスの効率化を図ります。

Laravelアプリケーションをサブディレクトリに配置するには、いくつかの設定変更が必要です。特に、.htaccessファイルの設定、Apacheの設定変更、ルート設定の修正などが重要なポイントとなります。本記事では、これらの設定を具体的に解説します。

具体的な手順や実装方法

ステップ1:Laravelアプリケーションの準備

まず、既存のLaravelプロジェクトをサブディレクトリ用に準備します。ここでは、例として「laravel」という名前のサブディレクトリにアプリケーションを配置する場合の手順を説明します。

  1. Laravelプロジェクトのルートディレクトリを確認します。通常は「project-name」という名前で作成されます。
  2. プロジェクトの「public」ディレクトリ内のファイルをすべて、新しいサブディレクトリ(例: /var/www/html/laravel)に移動します。
  3. サブディレクトリ内に「project-name」というディレクトリを作成し、元のLaravelプロジェクトのファイル(「public」ディレクトリ以外)をすべて移動します。
  4. サブディレクトリ内の「project-name」ディレクトリ内に「.env」ファイルがあることを確認します。なければ、「.env.example」をコピーして作成します。
Bash
# 例:Laravelプロジェクトのファイルをサブディレクトリに移動 cd /var/www/html mkdir laravel cd laravel mkdir project-name cd project-name cp -r /path/to/your/laravel-project/* . # .env以外のファイルをコピー cp /path/to/your/laravel-project/.env . # .envファイルをコピー

ステップ2:.htaccessファイルの設定

次に、.htaccessファイルの設定を行います。これにより、URLの書き換えとリダイレクトを制御できます。

  1. サブディレクトリ内に「.htaccess」ファイルを作成または編集します。
  2. 以下の内容を記述します。
Apache
<IfModule mod_rewrite.c> <IfModule mod_negotiation.c> Options -MultiViews -Indexes </IfModule> RewriteEngine On # サブディレクトリ名を指定 RewriteBase /laravel/ # 尻スラッシュなしのURLへのリダイレクトを無効化 DirectorySlash Off # ファイルまたはディレクトリが存在しない場合にindex.phpにフォールバック RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteRule ^ index.php [L] </IfModule>

この設定のポイントは、「DirectorySlash Off」というディレクティブです。これにより、ディレクトリへのアクセス時に自動的に追加される末尾のスラッシュを無効化できます。

ステップ3:Apacheの設定変更

Apacheの設定ファイルを編集して、サブディレクトリのルーティングを正しく設定します。

  1. Apacheの設定ファイル(通常は/etc/apache2/sites-available/000-default.conf)を開きます。
  2. VirtualHostディレクティブ内に以下の設定を追加します。
Apache
<Directory "/var/www/html/laravel"> Options Indexes FollowSymLinks AllowOverride All Require all granted </Directory>
  1. 設定ファイルを保存し、Apacheを再起動します。
Bash
sudo systemctl restart apache2

ステップ4:ルート設定の修正

Laravelのルート設定を修正して、サブディレクトリ内で正しく動作するようにします。

  1. サブディレクトリ内の「project-name」ディレクトリにある「public/index.php」ファイルを開きます。
  2. 以下の行を修正します。
Php
// 修正前 require __DIR__.'/../vendor/autoload.php'; // 修正後 require __DIR__.'/../../project-name/vendor/autoload.php';
  1. 同じファイル内の以下の行も修正します。
Php
// 修正前 $app = require_once __DIR__.'/../bootstrap/app.php'; // 修正後 $app = require_once __DIR__.'/../../project-name/bootstrap/app.php';

ステップ5:.envファイルの設定

最後に、.envファイルを設定して、アプリケーションが正しく動作するようにします。

  1. サブディレクトリ内の「project-name」ディレクトリにある「.env」ファイルを開きます。
  2. 以下の行を修正します。
Env
APP_URL=http://yourdomain.com/laravel

ハマった点やエラー解決

404エラーの原因と解決方法

問題: サブディレクトリにアクセスすると404エラーが発生する。

原因: Apacheの設定で「AllowOverride All」が設定されていない、またはRewriteBaseの設定が正しくない。

解決策: 1. Apacheの設定ファイルで「AllowOverride All」が設定されていることを確認します。 2. .htaccessファイル内のRewriteBaseの設定がサブディレクトリ名と一致していることを確認します。

Apache
# 例:laravelというサブディレクトリの場合 RewriteBase /laravel/

リダイレクトループの問題

問題: アクセス時にリダイレクトループが発生し、ページが表示されない。

原因: DirectorySlashの設定と、Laravelの内部リダイレクトが干渉している。

解決策: .htaccessファイル内に以下の設定を追加します。

Apache
# リダイレクトループを防ぐ設定 <IfModule mod_rewrite.c> RewriteEngine On RewriteBase /laravel/ # 尻スラッシュなしのURLを許可 DirectorySlash Off # 既存のルール RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteRule ^ index.php [L] </IfModule>

アセットファイルが正しく読み込まれない問題

問題: CSSやJavaScriptなどのアセットファイルが正しく読み込まれない。

原因: アセットファイルのパスがサブディレクトリを考慮していない。

解決策: Laravel Mixの設定を修正します。

  1. 「project-name」ディレクトリ内の「webpack.mix.js」ファイルを開きます。
  2. 以下のように修正します。
Javascript
const mix = require('laravel-mix'); mix.js('resources/js/app.js', 'public/js') .postCss('resources/css/app.css', 'public/css', [ // ]); // サブディレクトリを考慮した設定 mix.setPublicPath('public'); mix.setResourceRoot('../');

まとめ

本記事では、Laravelアプリケーションをサブディレクトリに配置し、尻スラッシュなしのURLでアクセスする設定方法を解説しました。

  • .htaccessファイルの設定によるURLの書き換え
  • Apacheの設定変更によるサブディレクトリのルーティング
  • Laravelルート設定の修正
  • アセットファイルのパス設定

この記事を通して、読者はサブディレクトリにLaravelアプリケーションを配置するための具体的な手順を理解できたことと思います。この知識は、複数のLaravelアプリケーションを同一ドメインで運用したい場合や、特定のパスにアプリケーションを配置したい場合に非常に役立ちます。

今後は、Dockerを使用したコンテナ環境でのLaravelアプリケーション設定や、Nginxを使用した場合の設定方法についても記事にする予定です。

参考資料